絵本 「かわいそうなぞう」

かわいそうなぞう (おはなしノンフィクション絵本)

かわいそうなぞう (おはなしノンフィクション絵本)

戦時中、東京の上野動物園の動物たちは、空襲で檻が壊れて逃げ出したら人間にとって危険だし、食糧が不足しているということで殺されることになった。

ライオンや虎や豹や熊や大蛇は、毒を飲まされて殺されたそうである。

象は、毒入りの食べ物を食べなかったし、皮膚が厚くて注射もできなかったので、食べ物を与えず、餓死させることになった。

三頭の象が、順番に、徐々に衰退し、亡くなっていったそうである。

あとで調べると、象の胃袋ににはひとしずくの水さえ入っていなかったそうだ。

あまりにかわいそうな、悲しい出来事だと思う。

戦争というのは、人間だけではなく、動物たちにも限りない苦痛や悲しみを強いるものだということを、後世の私たちは忘れてはならない。
この絵本を読んで、あらためてそう思った。