絵本 「アザラシとくらした少年」

アザラシとくらした少年 (世界の絵本)

アザラシとくらした少年 (世界の絵本)

ネイティブ・アメリカンの民話の絵本。

なんとも不思議な、ありえないはずなのに、妙にリアルな物語だった。

ある時、神隠しにあったように忽然と男の子がいなくなり、両親は深く嘆き悲しみ、探し続ける。

と、ある島に、アザラシの群れと行動をともにしている男の子がいると聴き、探しにいくと、行方不明になったその男の子だった。

しばらく、人間に慣れずにいたが、やがて徐々にまた昔のようになっていく。

しかし、海の底でアザラシの国で過ごしていた時のことを物語、アザラシの呼ぶ声がすると、そちらに行きたがる。

そして、見たこともない見事な彫刻を、カヌーに彫るようになる。

ある日、その男の子は、忽然とまた姿を海の中に消す。

しかし、毎年、美しい彫刻をしたカヌーが岸辺に置かれている。

という物語。

案外と、そんなことも昔にあったこともあったのかもなぁという、不思議な気持ちにさせられる絵本だった。