- 作者: 西野留美子,伊勢英子
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 1993/08/15
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る
伊勢英子さんが挿絵を描いているということで、ふと手にとって読んでみた。
とてもわかりやすく「従軍慰安婦」について書かれていた。
証言をされている方々の回想談は、どれもあまりにも哀れで、胸がつぶれた。
もう二十年前ぐらいの出版の本で、その後もさまざまな研究や議論の積み重ねがあるとは思うので、その後の議論もまたもっといろんな書籍を読んで把握したいと思うが、とても良い本だと思った。
いろんな美名で語られても、植民地や支配・被支配というのは、結局はこういう事態を生じさせることなのだろう。
アメリカにおける黒人奴隷制と同様に、朝鮮等の人々への「従軍慰安婦」はひどい歴史だとあらためてこの本を読んで思わざるを得なかった。
今もって、この問題は争点になりがちのことだし、国家の関与が史料から証拠づけられるのかは議論があるようではある。
しかし、もしイエスや法然がこの時代や今にいて、この話を聞けば、間違いなく「従軍慰安婦」だった人々に寄り添ったのではなかろうか。
また、このような事実を見て悔い改めない人々を、もしエリヤやイザヤが見れば、間違いなく叱責したのではないか。
福沢諭吉や内村鑑三が見れば、いかほど嘆き、血の涙を流したろうか。
今もって、目をそむけてはならない、人間ならば人間として注視しなければならない問題なのだろう。
私はとかくこの問題について、まだまだ認識が浅く知識も乏しいので、もっと勉強しなければと反省させられた。