ジュリアス・レスター 「すばらしいバスケットボール」

すばらしいバスケットボール (ダウンタウン・ブックス)

すばらしいバスケットボール (ダウンタウン・ブックス)


14歳の黒人の少年・アレンは、引っ越してきた家の隣に住んでいる白人の少女のレベッカと出会い、時折バスケットボールで一緒に遊ぶようになる。

しかし、1960年代の南部の町では、有形無形にさまざまな圧力がかかり、アレンもレベッカも、周囲の大人の目や思いに、しばしば悲しい思いをさせられていく。

読んだ後に、切ない思いにさせられる小説だった。

レベッカは結局引っ越すのだけれど、この二人はその後、どんな大人になったのだろう。

それにしても、アレンの父親が、息子を愛しながら、愛すればこそ、自分の幼なじみや友人が、ただ白人の女性と付き合っただけでリンチされて死んだ思い出を語り、息子にそうなって欲しくないという思いを語ることや、親切な黒人の老人がレベッカと一緒に歩いていたアレンに、白人の若者たちが怒っているので注意するようにアレンだけに伝えに来るところを見ると、戦後の時代というのに、アメリカの南部のありかたに驚かざるを得ない。

これらの状況は、今はだいぶ変わったのだろうけれど、変わるまでにはどれほど多くの人の心の痛みや困難があったことだろう。

すぐに読める、良い小説だった。