映画 「ジャンゴ」

痛快な良い作品だった。
南部の奴隷制のくそったれ具合はよく描けていたと思う。
せめて作品の中だけでも、その無念を晴らしてあげたいという作者の気持ちは本当によくわかる。
現実はなかなかこうスカッとはいかないんだろうけれど、だからこそこういうヒーローの勇気や行動に人は憧れるし、大事なものを思い出させられるのかもしれない。

にしても、黒人でありながら白人の威を借りて黒人に恨みをぶつけるスティーブンという人物造形はリアルだった。
黒人史の本を読んでいると、やっぱりときどきそういう人物が実際にいたようである。
今の日本を見ていても、自民党の実力者にはこの手の類の人間をときどき散見するように思う。

ティーブンのようになるよりは、やっぱりジャンゴの側にいたいし、せめてジャンゴに拍手喝采を送る側でいたいとあらためて思った。