絵本 「のら犬」

のら犬 (絵本・新美南吉の世界)

のら犬 (絵本・新美南吉の世界)

ごく短い御話なのだけれど、たぶん、この作品はいろんな読みができるのだと思う。

のら犬自体は何も変わらないのだけれど、それを見る和尚さんの心で、いくらでもその姿が違って見えていた、という受けとめ方もありうる。

一方で、和尚さんが見ていなかった背後で、のら犬ときつねの波乱万丈の物語がひょっとしたらあったのかもしれない。

また、のら犬が団子を食べずに持ってきてくれた心の背景を考えると、いろんな読みができると思う。

新美南吉ならではの、短いけれど、心に残る作品と思う。