絵本 「しあわせの石のスープ」

しあわせの石のスープ

しあわせの石のスープ


とても面白い物語だった。
もともとは、世界のいろんな場所に同じような物語が伝わっているらしい。


心を閉ざし、ばらばらに生きている街の中で、ある三人の旅人が「石のスープ」をつくり始める。
はじめは一人の少女が関心を示すだけだったが、作業の途中に、だんだん興味を持っていろんな人々が加わり、にんじんやねぎやいろんなものを皆で持ち寄り、おいしいスープができあがる。


幸せというのは分かち合うことにあることを教えてくれるのと同時に、きっかけは本当はなんでもよく、ただの石に何か貴重なものを見出せるか、何かを自分から始めてみんなに呼びかけることができるか、そのことの大切さもあらためて考えさせてくれる説話と思う。


現代人は、どれだけ「石のスープ」をつくることができるか。
そこにこれからの世の幸せもかかっているのかもしれない。