柳田邦男 「気づきの力」を読んで

「気づき」の力―生き方を変え、国を変える

「気づき」の力―生き方を変え、国を変える

「気づき」の力―生き方を変え、国を変える (新潮文庫)

「気づき」の力―生き方を変え、国を変える (新潮文庫)


とても良い本だった。


「見る眼」と「気づき」。
つまり、自分がどのように対象をきめ細かく見ているか、そして自分は見る対象にどのような意味を見出しているか。
この感性が大切であること。


専門バカであるより、良識や内面の豊かさこそ大切であること。


自分の人生の星座を見つけること。


耳を傾けるコミュニケーション力こそ大切であること。


などなど、とても心に響くメッセージが詰まっていた。


また、河合準雄さんが柳田さんに言ったという、


「自分自身の崖っぷちに立ち、もうこの先はない、というぎりぎりの切羽詰まった心境になって、その中で結果のことなど考えず、全身を投げ出すぐらいの覚悟でやれば、意味が出てくる」


という言葉は、とても考えさせられた。


「その時その場の真実に賭ける」


という言葉も。


あと、個人的には、水俣の地元学の記述のところで、吉本哲郎さんの御話が出てきたのが、とてもなつかしかった。
私も以前、向こうは覚えておられないかもしれないけれど、十年以上前に何度か吉本さんにいろんなことを教えていただき、とても楽しかった思い出がある。


とても良い一冊だった。