アリアーガは、なにせ二十歳で若くしてこの世を去っているので、残っている作品が極めて少ない。
その中で、この曲は唯一の交響曲である。
全部で二十数分の短い交響曲だが、四つの楽章からできていて、本当に良い曲だと思う。
特に、最後の四楽章は非常に心を揺さぶる。
他の楽章も、それぞれに素晴らしい豊かな内容と思う。
できればもっと長生きしてもらって、多くの交響曲やその他の楽曲を書いて欲しかったが、せめてもこの交響曲等が残っているだけでも、感謝しなければならないのかもしれない。
というより、アリアーガは、短い人生ながらも、三つの弦楽四重奏曲やこの交響曲で、この世に十分素晴らしい贈り物を残して、すべきことをしあげていたと言えるのかもしれない。
繰り返し聴きたい、不思議な曲である。