政府対応の問題点次々と……原発事故調査・検証委員会「中間報告」
http://www.rbbtoday.com/article/2011/12/26/84601.html
菅政権の時にその設置が閣議決定された、原発事故調査委の中間報告が今日、公表された。
http://icanps.go.jp/post-1.html
柳田邦男さんや吉岡斉先生らが委員会のメンバーなので、おそらく今の日本で考えられる限り最もすぐれた知性と良心の持ち主たちによる報告書だと思う。
かなり膨大な量なので、とりあえず、「概要」だけを読んでみた。
とても明晰な内容だと思う。
http://icanps.go.jp/111226HonbunGaitou.pdf
オフサイトセンターの機能不全、官邸5 階と地下の緊急参集チームとの連携不足、ERCの機能不全、1 号機IC 作動状態の誤認、3 号機代替注水不手際、SPEEDI 情報の欠如等が指摘されている。
また、東電の津波対策の杜撰さや、 1、不十分な全電源喪失対応策 2、消防車による注水・海水注入策の未策定 3、機能しなかった緊急通信手段 4、緊急時における機材操作要員手配の問題点、といった事柄が指摘されている。
福島では、このような対策と、危機管理体制だったわけだが、他の地域の原発も大同小異だったのだろう。
いや、現在進行形の部分も多いのかもしれない。
責任を持って管理できないようなものは、いいかげんに止めるべきだろう。
そして、なくすまでの期間は、この報告書にあるような問題点は、早急に是正すべきである。
とりあえず概要だけ読んでもいろいろ深く考えさせられるが、すこしずつしっかり中間報告の全体も読んでいきたい。
(追記)
今月二日、東電からも福島原子力事故調査の中間報告書も出た。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/111202g.pdf
津波対策のところなど、上記の事故調の報告書とはかなり趣が異なる気もする。
ただ、ある方から教えていただいたのだが、この中の「別冊」の23ページに「【9】菅総理の視察への配慮と復旧作業への影響」という箇所がある。
この中で、明確に菅総理の視察は問題がなかったと結論してある。
今もって、ベントの遅れを菅総理の視察が原因だったと勘違いして、当時流されたデマを盲信している人がいるようだが、いいかげん、こうした報告書にきちんと目を通して欲しいものである。