- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- 発売日: 2009/04/10
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だいぶ前にテレビで見たのだけれど、時折ふと思い出す作品。
1839年に起きたアミスタッド号事件という歴史上の事件を描いている。
アミスタッド号は、スペイン船籍の奴隷船で、積荷として積まれていた黒人奴隷が反乱を起こし、自分たちを虐待していたスペイン人たちを倒して船をのっとる。
その船は、アメリカの海軍に拿捕されるが、スペイン政府は船と奴隷の返還を要求。
アメリカ政府も当初はそれに応じようとするが、アメリカ国内の奴隷反対の人々が被告の支援と弁護を買って出る。
しかし、なにせ被告の黒人たちの言葉がわからないので、弁護も困難を極めたが、港で粘り強く言葉のわかる人を探したところ、奇跡的にその言語を理解する人を見つけ、やっと被告と弁護団が意思の疎通ができるようになる。
裁判は長い厳しい闘いだったが、最高裁で元大統領のクィンシー・アダムズが弁護人を引き受け、ついにスペインの要求を拒否し、被告たちの正当防衛が認める判決が出る。
作品中、アダムズが、
困った時は、先祖の魂を呼ぶ、
先祖の声を聞けばいい、
ということを述べ、建国の父の心を思い起こすことを呼びかけるシーンがあり、じーんときた。
とかく、人の世は、ともすれば大事な理念を忘れ、正義を忘れてしまいがちだが、先祖の魂に立ち返り、堂々と正義を踏むことを忘れてはならぬのだと思う。
日本も、実は明治の初頭にマリア・ルス号事件という、アミスタッド号事件に若干よく似た、清人のクーリーをペルー船籍の船の虐待から救い出した事件がある。
スピルバーグがアミスタッド号事件を映画にしたように、誰か日本でもマリア・ルス号事件を映画にしないものだろうか。
時折思い出させる、良い映画だった。