マティ・ステパネク 『ホープ・スルー・ハートソング ぼくらの願い』

ホープ・スルー・ハートソング

ホープ・スルー・ハートソング



とても良い詩集だった。

いくつも、胸打たれることばがあった。

すごい感性と洞察力だと思う。

特に、この詩が胸に響いた。




「未来に思いを」


ふり返るとわくわくする。
過去があるのは
すてきなこと。
だから、いまを大切にしよう。
すばらしい贈り物を
未来にも
プレゼントできるように。



この詩を読んで、未来に何を贈ることができるか、じっと考えさせられた。
また時折読み返し、そのたびにじっと考えていきたい。



「大いなる現実」という詩の中の、


「未来に手がとどかないと感じても
未来のはじまりはいまここから。
いまを生きている
毎日の暮らしに感謝を。
ぼくたちは歴史になる。
言葉や行動とともに。
この瞬間にも。
今日、ぼくたちは
明日の歴史になる。
だから、ぼくたちには
問いかけが必要。
未来に何をしてあげられるのか。
ぼくたちが言ったこと
したこと、しなかったことが
だれかを変える。
伝わるかもしれない。
未来が現実になる日は
そう、遠くない。」


という後半の言葉の数々も、本当に胸に響いた。


「いつかを信じて」という詩の中の、


「自分のこころの歌に
このフレーズを加えよう
そして、信じよう
「地球に平和を。まずは自分からはじめよう」と。」


という一節も、本当に忘れぬように大事にしたい。


わずか十四才で亡くなるとは、本当に惜しかった。
本当に不思議な、この二十一世紀に彗星のようにきらめてい、束の間未来を照らす詩をのこしてくれていった、大人も遠く及ばない感性と洞察力を持った少年だったと思う。



「未来に目をむけて」


どの旅も
はじまりは
ちいさな一歩から。
正しい方向を目指す
新たなちいさな一歩を
ふみだすチャンスは
毎日、めぐってくる。
あとは従うだけ
こころの歌に。