「新立憲民主党の結党大会の様子を視聴して」

 

四日前の9月15日に行われた新・立憲民主党の結党大会の様子を、いそがしくて見れていなかったので、やっと今日動画で視聴した。

思っていたよりも、ずっと内容の充実した、良いメッセージの数々だったと思う。

ゲストの人々のメッセージも良かった。

 

まず、冒頭に小川淳也さんが開会の発言をしていたが、さわやかで良かったと思う。

若くて同い年ぐらいに見えるが、私よりかいくばくかは年上とのこと。

 

次に、平野博文さんが、二党二グループの合流の経緯を報告していて、その最後に「しんどかったですわ」と笑顔で言っていた。

苦労の実感と達成感がしみじみ感じられた。

何事も壊す時は簡単で修復するのは大変である。

2017年に民進党が分裂してから、再び合流するのは、さぞかし水面下での交渉等々大変だったのだろう。

 

神津里季生連合会長のスピーチも、とても真摯で誠実で、胸打たれるものがあった。

コロナで直撃されるのが弱い立場の人々であることや、格差と分断が進む流れを変えるための力を結集し、一人一人の命と暮らしを守りぬくこと、自己責任論でなくて共に支え合いつながりあうことなどを、懸命に訴えていた。

野球の基本はキャッチボールから始まる、何度も何度もキャッチボールを繰り返して、高みを目指していこうではありませんか、というメッセージも、大学で野球部をしていたという神津さんらしくて良かった。

 

大学院生の町田彩夏さんのスピーチも良かった。

政治とは社会構造の中で苦しんでいる人々を助けることで、そのために努力することを政治家の人々に期待することを述べていた。

さらに、政治の優先順位に偏りは生じていないか、議会における多様性の欠如が存在しているのではないか、さまざまなバックグラウンドを持った人が社会にはいるのに、議会の構成メンバーに反映されていないのではないか、ということを指摘しており、そのとおりと思えた。

社会的に弱い立場の人は容易にかき消されてしまうので、声なき声をくみとることは難しい、しかし誰でも時には強い立場にも弱い立場にもなりうる、多角的に政治家には見て欲しい、と訴えていた。

今後の立憲民主党に肝に銘じ続けて欲しい言葉の数々だった。

まだ25歳だそうで、しっかりした若者もいるものだと感心した。

 

また、現在国会にコロナで被害を受けた事業者のための活動を展開している、ライブハウスを経営しているスガナミユウさんという方が、事業資金に困っていることを必死に訴え、体力のある人だけが生き残る社会をやめましょうと切実に述べていた。

 

さらに、田中信一郎先生が、人口増加を前提とする新自由主義により格差と分断がさらに進んでいる現状を指摘し、宇沢弘文の思想をベースにした支え合う社会を綱領で明確にした新立憲民主党の意義を強調し、国家と個人のどちらを大切にするかで自民党と明確な対抗軸を持つこと等を述べていた。

 

枝野さんは、上記の話を踏まえた上で、この八年間、特にこの三年間、国民に政治の選択肢が見えないという状況が続いてきたことへの残念な思いと、その打破への強い思いを語っていた。

困窮状態にあるバイト中の学生の話を聞き、政治に自分たちの姿は見えているのかと問われたことを述べた上で、「政治は、国民の命とくらしを守るためにあるはずです。私たちは、見て、見ようとしている、ともに壁を乗り越えようとしている」と熱意をこめて語っていた。

 

また、枝野さんは公文書改竄の問題や社会構造の問題などに触れつつ、「政治をあきらめてしまっているみなさんにも、いや、そうしたみなさんにこそ、呼びかけたいと思います。あなたの苦境はあなたのせいではない、政治はあなたを見ている、ともに現実を変えていくために政治は存在している、真っ正面からそう伝えるため、前に進んでいこうでありませんか」と訴えていた。

そのうえで、「今は政治を諦めてらっしゃるみなさんと、こうしたみなさんとともに私たちは、この国の政治を変えていきます。長く続いた政治への諦めを、今日から終わらせます」と力強く宣言していた。

具体的には、収入一千万円以下の人々等への所得税時限免除、困窮者への現金給付、ベーシックサービスの拡充、賃金上昇などなどを掲げていた。

 

枝野さん自身が長すぎたかもしれないとあとで述べていただけれど、内容の充実した堂々たる大演説だったと思う。

 

これからが大変な試練や困難も多いと思うが、一度目の民主党民進党のようにくだらない内部分裂に終わることなく、今度こそはしっかりと結束し、結党大会で共有された理念や志の初心を忘れずにがんばって、一強多弱ではない、日本の政治に緊張感と選択肢をもたらす一方の軸になっていって欲しいものだと思う。

日本は終わったとか、日本はもうだめだとしたり顔で言っている人々には、まずはこの結党大会の動画でもゆっくり見て欲しいと思えた。

その一方、立憲民主党の政治家の人々には、リアルタイムで、あるいは動画で、わざわざこの結党大会の動画を見るようなもの好きな一般市民は非常に限られたほんの一握りの人だけなので、政策やビジョンを少しでも多くの人に今後伝わるようにきちんと発信し続けるようにがんばって欲しいものだと思った。

 

 

枝野幸男氏 結党大会でのスピーチ 全文

https://newparty.cdp-japan.jp/news/20200916_0005

 

立憲民主党結党大会の動画

https://www.youtube.com/watch?v=ablHt-1j11s&t=1156s