カリール・ジブラン 「預言者」

預言者

預言者


とても不思議な、良い本だった。


だいぶ昔の、レバノンの詩人が書いた本だそうで、とても美しい詩のような言葉が綴られている、わりと短い本である。


「愛は愛自身のほか何も与えることはなく、愛自らしか受けることがない。」


愛をもって働くとは、心から縒りだされた糸で布を織ること、愛する人が身をまとうかのように。


悲しみがえぐった井戸が深いほど、喜びの水も多く湛えられる。


物の売り買いとは、大地の恵みを交換すること。


人は皆、行進するかのように、皆で神に向かっている。ひとりが倒れれば、後から来る者たちにつまずく石のありかを教えている。


理性を情熱の高みに高め、理性によって情熱を導け。


苦しみは、理解を覆っている殻が破れること。


昨日は今日の記憶、明日は今日の夢。


などなどの、とても深い、考えさせられる言葉が綴ってあった。


また、時折読み直したら、新しい発見がありそうである。


こんな本を、いつか自分も書いてみたいなぁと思った。