1リットルの涙―難病と闘い続ける少女亜也の日記 (幻冬舎文庫)
- 作者: 木藤亜也
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2005/02/01
- メディア: 文庫
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今日、木藤亜也『1リットルの涙』を読み終えた。
この本は、ドラマや映画にもなったので知っている人も多いと思う。
私も、何年か前に、映画とドラマを見て、いつか読もうと思ってこの本も買ったのだけれど、なかなかつらそうで読めていなかった。
今日、なんとしてもきちんと読もうと思い、読み終えることができて本当に良かった。
本当に、胸を打たれる、貴重な本だと思う。
著者は、高校一年の時に脊髄小脳変性症という病気になり、徐々に歩くことも話すことも、すべての行動ができなくなっていく。
この本は、著者が闘病生活の傍ら、折々に綴っていったノートの文章を一冊の本にまとめたもので、その文章は本当に生き生きしていて、本当に心が繊細で豊かな、すぐれた知性と魂の持ち主だったのだと読んでいて思った。
病気のために多くの悲しみや戸惑いを感じながらも、一生懸命生きようとし、人の役に立ちたいと願い続け、折々に感じたことが書かれているこの本は、単なる闘病記の域をはるかに超えた、貴重な生き方と魂の書だと思う。
人の世話になるばかりで、何の仕事もできないかもしれないということを悲しみ、人の役に立つ仕事をしたいと願い続け、自分にできることは不自由な身体の中で精一杯しようとする著者の姿勢や思いを見ていて、本当に胸を打たれ、考えさせられた。
少々のことで弱音を吐いたりすることは、決して許されないと、この本を読んでいて思わずにはいられなかった。
著者の亜也さんは、誰よりも、その生き方や生きる態度をもって、多くの人の心に影響を与え、多くの人にとって何よりも大切なことを教えてくれた。
そのことに、亜也さんの人生の大きなかけがえのない意味があったし、人助けになっている。
そう、読みながら著者の亜也さんに伝えたくて仕方なかった。
著者の亜也さんは亡くなられてからもうしばらく経つ。
しかし、その魂は、今もこの本の中に生き続け、この本を読んだ人に生きて働き続けているのだと思う。
多くの人に、今後とも読み継がれて欲しい、貴重な一冊だと思う。