絵本 「ピノキオの冒険」

ピノキオの冒険

ピノキオの冒険


ピノキオは、たぶん誰もが一応は知っているはずの有名な童話。

しかし、この本を読んで、私はこんなにも波乱万丈で深遠な物語だとこの年になってはじめて知った。

読みながら、性懲りもなくまたラクなことや怠けに傾き、再三痛い目にあっていくピノキオを見て、なんだか自分によく似ている気がして、なんとも慚愧させられる。。

子どもの頃に、もっとしっかりとピノキオの物語をしっかり知っていれば、もっと良い大人になれたろうか。

しっかり働き、人に頼らず、怠けない人間になるべきことを、妖精やゼペットじいさんやコオロギが、何度となく、ピノキオに教え諭すところも面白かった。

最後には、クジラの腹の中から勇気を持ってピノキオがゼペットじいさんを救い出し、かつ自分で働いて稼いだお金を困っている人のために惜しげもなく使うことで、人間になって、めでたし、めでたし、で終わる。

ただ、それまでの波乱万丈なストーリーが、これほど生き生きと、また深いものとは、ぜんぜん知らなかった。

また、この絵本は、ロベルト・インノチェンティの絵が本当に素晴らしかった。

大人でも真っ向から読まないとなかなか読破できない重厚な絵本。
すごい絵本である。