- 作者: 大江健三郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2003/11/26
- メディア: 単行本
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- 作者: 大江健三郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/11/01
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今日、大江健三郎の『二百年の子供』を久しぶりに読んだ。
以前、七、八年前に一回読んだことがある。
その時もとても感銘を受けた記憶はあるのだが、良い本だったという記憶だけで、細部をすっかり忘れてしまっていたので、いましっかり丹念に読み返すと、こんな物語だったんだ、となんだか新鮮な発見があった。
本当に素晴らしい物語だった。
随所に散りばめられた言葉が、それぞれにとても印象的で、ためになったけれど、
・「人それぞれ」
・「復元力」
・「人生の計画」
などの言葉は、とても考えさせられた。
また、
・途方にくれておらず、解決策を見つけ出すこと。
・あるところに行きたいと、心から願うと、思いがかなう。
・古い言葉に出遇ったら、外国語でどう言うか調べてみる。
・過去の人や出来事について、深くわかったということは、無意味ではない。
・ここから流れていく川下は変えられる。先に見える未来がまずいと思えば、いま作り変えればいい。
・与えられたイメージを自分で作りかえることが想像力の働き。
ということなども、なるほどっと思った。
地域の歴史・郷土の歴史が、このようにきちんと語り継がれれば、どれほどいいだろうとも思った。
特に感銘を受けたのは、
・「新しい人」は「新しい言葉」からつくられる。
・私らの大切な仕事は、未来を作るということだ、私らが呼吸をしたり、栄養をとったり、動き回ったりするのも、未来を作るための働きなんだ。
という言葉。
つまり、生きるとは、未来を作るということだというメッセージが、本当に胸に響いた。
「今に含まれる未来」を見ていくことの大切さ。
あらためて、とても教えられた。
また、この小説には「メイスケさん」という、おそらくは三浦命助がモデルだと思われる人物が出てくる。
メイスケさんは、三浦命助と違って東北ではなく四国の一揆の指導者なので、直接三浦命助そのものではないが、「人間は三千年に一度咲く優曇華の花なり」という三浦命助と同じ言葉をいう。
本当に胸を打たれた。
また、七、八年ぐらい経つ間に、一、二度、生きている間、何度となく、読み返していきたい。
本当に心の糧になる、素晴らしい名作と思う。
できれば、ジブリにアニメ化して欲しいものだ。