思い出話 その4

今思えば「痛すぎる!」恋愛体験
http://news.mynavi.jp/c_career/level1/yoko/2011/12/post_1357.html



そういえば、痛かった経験が私にもあった。

別に恋愛体験ではなくて、単なる失恋の思い出だけど。

高校の頃、私は男子校だったのだけれど、通学電車の中で、いつも同じ車両に乗る女の子に、とても美人な子がいた。
制服から、某女子高ということはわかったが、つても何もない。

いっつも一緒に通学している友人が三、四人いたのだけれど、皆あの子はかわいいと意見は一致していた。

しっかし、我々の乏しい情報網ではさっぱり情報もなく、話しかけるわけにもいかず、そんなこんなで月日は流れていった。

今思い出すと、別に恋愛感情というほどでもなかったと思うが、たまたま休日に電車に乗ってたら、なんとその子がいた。

というわけで、向こうはこっちを知りもしないのに、無謀にも話しかけてみた。

なんと同級生と思っていたら年上だった。

名前は教えてもらったものの、その頃は携帯電話はまだそんなに普及しておらず、私は当然持っていなかったので、今のようにアドレスや番号を交換するなんて器用なことはできなかった。

第一、向こうは余裕で落ち着いているけれど、こっちは緊張して途中からは何を話したかも覚えてない。

べつに告ったわけじゃないけれど、たぶんわけのわからないことを口走ったのだろう、「受験で忙しい」と軽くかわされたことは覚えている。

まぁ、でも、別に格別愛想が良かったわけじゃないけれど、それほど冷淡なわけでもなく、ごく自然に話し相手になってくれたので、今考えてみればずいぶんと良い人だったのだろうと思う。

そのあと、一度駅ですれちがったことがあったけれど、その人がもう高校を卒業してからは、もう電車で見かけることもなくなった。

その人の志望校はその時の会話で教えてもらってたのだけれど、その大学に合格してたのを何かの情報で知った記憶はある。

だいぶ経って、大学生になった頃、そのころ一緒に通学していた友人が、あの電車に乗ってた子はかわいかったなぁ〜、という話をしてたので、「ああ、○○さんかぁ。○○大に行ったらしいよ。」と言うと、「なんで知ってんだ?」と尋ねられて、返答に困った記憶がある。

ただそれだけの、なんとも痛い思い出だが、今考えてみると、高校生になりたての頃ってのは、ずいぶんと純情なものだったなぁと思う。
痛い思い出が多少ある方が、若い頃の思い出としてはなつかしいものなのかもしれない。

大人になってからの痛い思いってのは、あんまり洒落にも思い出にもならないので、「いま思えば痛すぎる」ぐらいの若い時の思い出ってのは、ずいぶんとなつかしいもののような気もする。