- 作者: 佐野洋子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1977/10/19
- メディア: 単行本
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ある方のおすすめで読んでみたのだけれど、本当に良い本だった。
不覚にも涙。
この絵本はすごい。
いろいろ物語の意味について、理屈をつけて読み解くことも、おそらくはこの本はいくらでもできるのかもしれないけれど、その前にまず理屈を超えて、名状しがたい感動を与えるところが、この絵本のすごいところだと思う。
私は、たぶん愛する人にめぐりあえた満足ということよりも、世の中を「いとう」心が生じたことが、もうこの猫が生まれ変わらなかった原因のような気がする。
(「いとう」とは、親鸞のことばでいうところの「世をいとうしるし」の「いとう」。)
ただ、本当にこの世を「いとう」ことは、本当に愛する人がいてこそできることなのかもしれない。
心に残る名作だった。