雲井龍雄 「朝を退き後藤参与の僑居を訪う 其の四」

「朝を退き後藤参与の僑居を訪う 其の四」


怒来口角沫津然  怒り来(きた)つて 口角 沫(あわ) 津然(しんぜん)
決死欲収虺蜮権  死を決して 収めんと欲す 虺蜮(きいき)の権
何日手排雲霧去  何(いづ)れの日にか 手に 雲霧を排し去り
扶桑枝上見青天  扶桑枝上に 青天を見ん


(大意)

時勢への憤慨から、口角泡を飛ばして議論をせざるを得ない気持ちが溢れてくる。

死ぬ覚悟で、毒蛇や蝮のような権力者たちにぶつかって、事態を収めたいと思う。

いつか必ず、この手で雲霧を払い去り、
日本の上空に晴れ渡った青空を見たいものだ。