「朝を退き後藤参与の僑居を訪う 其の五」
憂世非難救世難 世を憂ふるは難(かた)きに非ず 世を救ふは難し
誰令百姓免餓寒 誰か 百姓をして 餓寒を免れしむ
何年一炬焼秦尽 何(いずれ)の年か 一炬(いっきょ) 秦を焼き尽くし
更約三章漢法寛 更に約さん 三章 漢法の寛
(大意)
世を憂いることは簡単なことだが、
実際に世を救うのが難しい。
誰が生活に苦しむ庶民を飢えや寒さから救うことができるだろう。
(私たちががんばるしかないではないか。)
いつか必ず、秦のように過酷で煩瑣な法律や租税を廃止して、
むかし漢の高祖劉邦が実施したような寛大な法律と減税によって、
国の基を磐石にすることを誓おう。