
アトンの娘 ツタンカーメンの妻の物語 文庫版 コミック 全3巻完結セット (中公文庫―コミック版)
- 作者: 里中満智子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2003/11/01
- メディア: 文庫
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これは名作だった。
古代エジプトが舞台で、ツタンカーメンの妻のアンケセナーメンが主役。
アメンホテプ四世やネフェルティティも登場し、一神教と多神教の対立というテーマもよく描けている。
理想と現実、親への反発、大人と子供、などなど、普遍的なテーマをうまく盛り込んであって、古代エジプトと現代と、あんまり人間は変わってないのかもなぁという気になった。
結局、人間は賢くなったのか、あるいはそんなに変わってないのか。
よくわからないが、何かしら胸を打たれるものが、うまく言葉にはならないが、この作品にはあると思う。
そういえば、ずいぶん昔、子どもの頃、ツタンカーメンの黄金のマスクの実物を見たことがあったけれど、背景にこんな物語があったのかもなぁと思うと、しみじみとした気持ちになった。
いつかカイロの博物館にも行って、アンケセナーメンがツタンカーメンに供えたドライフラワーも見てみたいものである。