白土三平 「カムイ外伝」

カムイ外伝 (12) (小学館文庫)

カムイ外伝 (12) (小学館文庫)

白土三平の『カムイ外伝』の文庫版全十二巻を読み終わった。
カムイ伝』第一部で抜け忍となり、主人公にもかかわらずあまり登場しなくなっていたカムイのその後の様子が、アンソロジーで収録されている。
抜け忍となったカムイの命を狙う追忍たちとの死闘と、行く先々で出会う人々の物語。
人間や人生とは何なのか、考えさせられる。
生きるために必死に切り抜けて行くことと、その中でも人への思いやりや信頼を忘れなかった人は、たとえ死んでもどこかに救いがあるような気がするし、それがなかった人は、どうもなんとも無残な哀れな気がするのが、この作品を読んでとりあえずの感想である。
しかし、やっぱりこの外伝では物語はぜんぜん終わっていないようで、やはり『カムイ伝』の第二部をこれから読まねばならなそうである。