- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2009/02/06
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先日、録画していたのを、昨日見た。
なかなか面白かった。
カントリーミュージックの歌手のジョニー・キャッシュの人生を描いた映画。
貧しい南部の農家に生まれたジョニーは、兄の事故死にショックを受けながらも、歌手になるという夢を持ち続け、空軍で働きながら結婚もし、貧しい暮らしにあえぎながらも、ついに歌手になる。
小さい頃からラジオで聞いていた憧れの歌手のジューン・カーターともともにコンサートで歌うようになり、次第にジューンにひかれていく。
ジョニーは徐々に大スターになるが、それと同時に、乱脈な女性関係や、薬物にもはまるようになり、やがて家庭は崩壊する。
ジューンはジューンで、離婚を何度か繰り返す。
ジューンの離婚を知って、ジョニーはプロポーズするが、ジョニーのダメさ加減に怒って、プロポーズを何度も断る。
しかし、最後は、コンサートの上で観客の前でジョニーがプロポーズし(それが四十回目だったそうである)、無事に結婚。
薬物中毒からなかなか離れられないジョニーを、ジューンたちが支えて立ち直らせるところも感動的だった。
また、立ち直ったジョニーが、刑務所の服役者のために歌を歌いに行ったり、自分と同じく道を一度は踏み外した人々のために歌い続ける姿も感動的だった。
私はあんまりカントリー音楽は今までは聞いたことがなかったのだけれど、カントリーも良いものだなぁと思わせる、良い映画だった。
作中、特に印象的だったのは、以下の二つのシーン。
ひとつは、オーディションでありきたりな歌を歌うジョニーに対し、プロデューサーが、トラック事故で間もなく死ぬとして、最後に一度だけ歌える時に、神やみんなの前で歌う歌を歌え、その歌だけが人々の心に届く、というシーン。
もうひとつは、もう自分の人生はだめだというジョニーに対し、神はあなたに立ち直るチャンスを今与えてくれているのよ、というジューンのセリフ。
どちらも、折々に忘れずに思い出したい。
それと、先日、「Ray」というレイチャールズを描いた映画も見たのだけれど、この二作品はどちらもミュージシャンを描いた作品で、しかも小さい時に兄弟が死ぬことに大きな心の傷を受け、のちに薬物中毒に走ったところが(立ち直ったところも)、共通していた。
何十年経っても、二人ともその心の傷を負っていたことを思うと、家族の若くしての死というのは、本当に何十年経っても癒えることのない傷なのだと思う。
だからこそ、他の人の心を癒し、元気づける歌を彼らは歌い続けて、やがて自分自身も立ち直っていったのだろう。
いろいろと考えさせられる、良い作品だった。