子どもの頃に読んでこわかった絵本

「今でも暗いところが怖い…」子どものころに読んでトラウマになった絵本
http://news.ameba.jp/20130224-179/




やっぱり、「ハーメルンの笛吹き」はけっこうこわい話ではなかろうか。
幼心に、なんとも言えない気持ちがいつもした気がする。
長じて、あれが東方十字軍と関連があるとか、人買いと関連があるという説や、貧困の問題と関連付けられて論じられているのを見た時、小さい時に漠然と感じた哀れさみたいなものが、直感的には正しかったんだと思ったものだ。


また、白雪姫の七人のこびとが、大人になってから、子どものころから鉱山で重労働をして、発育不全で身体が小さいまま老人になった人々がモデルではないかという説を聞いて、夢も希望もなくなった気がしたものである。


安寿と厨子王」の話も、あまりにも悲しかった。


今考えてみれば、子ども向けの話というのは、意外と怖さや悲しさの詰まった物語が多かった気がする。
しかし、そういう物語を読んで育てばこそ、人はこの世の悲しさも人の身の哀れさもある程度心得た人間になれるのだろうか。


あと、たぶん自分が子どもの時に読んだらこわかっただろうと思うのは、大人になってから読んだのだけれど、ロブ・ゴンサルヴェスの「終わらない夜」や「真昼の夢」や「どこでもない場所」。
っというか、これがどんな子どもを対象にしているのかよくわからない。


極めつけは、「ジキルとハイド氏」の絵本。
いったいどんな子どもを対象につくられているのか、大人が読んでもこわすぎる。


たぶん、我々大人が日頃見ている世界というのは、この世界のほんの一部なのだろう。
児童向けの絵本や物語は、その中にある得体のしれないものをしばしばよく現している。
本当は、子どもの時のみならず、大人になってから、それらを時に感じたり、その意味を考え直すことが大切なのかもしれない。