「シルミド」

シルミド/SILMIDO [DVD]

シルミド/SILMIDO [DVD]

先日、テレビであったのを録画していて、今日見たのだけれど、すごい映画だった。。

朴正煕政権の頃、金日成を暗殺するために結成された684部隊という特殊部隊が描かれていて、さまざまな事情により集められた兵たちが過酷な訓練を受ける。

しかし、内外の情勢の変化により、作戦は中止され、そのうえ部隊には抹殺命令が出される。

684部隊の隊員たちは反乱を起こし、指導教官らを射殺、ソウルの大統領官邸に直訴をするためにバスハイジャックをして道路をひた走るが、鎮圧部隊と激戦になり、最後は手榴弾で自決する。

名もない、数字上の存在として、簡単に国家から非情な抹殺命令が出されることに対し、最後自分たちの名前を血でバスの壁面に書いて抗議する姿は、なんとも涙を誘われるものがあった。

にしても、驚きなのは、この映画、多少フィクションも交じっているらしいけれど、実話がもとになっているらしい。

実尾島事件という、1971年に実際にあった出来事だそうだ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9F%E5%B0%BE%E5%B3%B6%E4%BA%8B%E4%BB%B6

なんちゅう、人権も何もあったものじゃないめちゃくちゃな話だけれど、いつの世もともすれば、国家というのはこのように非情なもので、そして恨みを呑んで死んでいった歴史から消し去られた人たちが、ともすればいるものなのかもしれない。

いろいろ考えさせられる映画だった。