チョギャム・トゥルンパ 「シャンバラ 勇者の道」

シャンバラ―勇者の道

シャンバラ―勇者の道


本当に稀な、不思議な、素晴らしい本。

著者は、サキョン・ミパム・リンポチェの父のチョギャム・トゥルンパ・リンポチェ。
チベット仏教を最も最初に西欧社会に紹介した人物。

この本では、とてもシンプルに、在家において人がいかに「勇者の道」を生きるかについて、智慧のエッセンスをわかりやすく述べてある。

「勇者の道」とは、つまり自分の「基本的な良さ」(basic goodness)を信頼し、自分を正直にさらけ出し、他人にハートを開放して生きていくということ。

自分の思考に「思考だ」と気づき、自他を隔てる壁を放棄し、絶対に諦めない。
”今”を”今”を経験できる最高の機会と受けとめていく。

日常の生活の中に、知覚を深めていくさまざまな機会や気づきがあることを知り、外側のドララと内側のドララと秘密のドララを呼び起こしていく。

最良の人生は平凡な状況のもとで実現できる。
貧しくとも豊かであることはできる。

温和さ、活気、豪放さ、測り知れなさ。
この四つの徳を身につける。

自分の人生を治める。

そんな、シンプルだけれど、とても胸に響くメッセージに満ちた本だった。

チベットにおける在家仏教のエッセンスと思う。
すごい本もあったものである。
今日は絶版であることがとてももったいない気がする。
多くの人に読んで欲しい本だが、なかなか今は入手できないのかもしれない。