以下は、知人のブログの転載です。
本当に、まったくそのとおりと思います。
「原発報道の偏向と「記憶力」について」
■メルトダウンの可能性、12日には認識…保安院長
(読売新聞 - 08月10日 21:20)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110810-OYT1T00939.htm
なんだろう、このいまさらな報道は。
まるで「炉心溶融の可能性を3月12日にはわかってたのに、いままで隠してました」と読んで欲しいような書き方だ。
みんな忘れてしまったのだろうか、事故の直後に、保安院も東電も「炉心溶融」を認めていて、堂々とそれが報道されていることを。
まず、事故の翌日の報道で、1号機の「炉心溶融」が語られている。
(報道の日付は3月12日だが、記者会見は事故当日の3月11日)
2011年03月12日
■福島第一原発「炉心溶融進んでいる可能性」保安院
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E3E0E2E39C8DE3E0E2E1E0E2E3E3958AE3E2E2E2
2011年03月12日
■福島第1原発、炉心溶融…放射性物質が周辺に拡散
保安院幹部は記者会見で「炉心の燃料が溶けだしているとみてよい」と炉心溶融(メルトダウン)が進んでいるとの見方を明らかにした。
http://ceron.jp/url/www.47news.jp/CN/201103/CN2011031201000554.html
翌日の報道で、3号機も同じ状態だと東電が発表している。
そして政府は「炉心が溶融していることを前提にした対応をしている」と述べている。
2011年3月13日23時10分
■1・3号機で炉心溶融進行の可能性 東電が示唆 福島
東京電力は、福島第一原発の1号機と3号機で、実際の水位を見極める必要があるとした上で、燃料の最上部より水位が低い状態が続いていることで、炉心溶融が進んでいる可能性があることを示唆した。
http://www.asahi.com/national/update/0313/TKY201103130303.html
2011年03月13日 14:11 発信地:東京
■「3号機の炉心溶融も想定して対応中」、枝野官房長官
【3月13日 AFP】枝野幸男(Yukio Edano)官房長官は13日、東京電力の福島第1原子力発電所の3号機も、燃料棒が溶けている可能性があると述べた。
会見で炉心溶融が1号機で起きたという認識かと問われた枝野官房長官は、「これは十分可能性があるということで、その想定のもとに対応をしている」と述べ、3号機についても「可能性があるという前提で対応している」と述べた。(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2790103/6951388
その翌日には、2号機も炉心溶融しているという発表がされている。
2011年03月14日 20時14分00秒
■福島第一原発2号機が冷却できずに燃料棒すべて露出、炉心溶融(メルトダウン)の可能性も
東京電力によりますと、福島第一原子力発電所2号機で、午後6時20分から海水を入れる作業を始めましたが、その後、海水が入っていることが確認できず、原子炉の中にある燃料棒がすべて露出している可能性があることを明らかにしました。「炉心が溶けた可能性は否定できない」としています。
http://gigazine.net/news/20110314_fukushima_daiichi_2nd_meltdown/
このように、東電も保安院も事故の直後から炉心溶融を認識しており、政府ともども、それを前提に対策をとっている。
間違いなく、そのように報道されている。
それなのに、4月に入ると、変な報道が流れた。
2011年04月19日
■福島第一原発 1〜3号機炉心溶融との見解−原子力安全・保安院
複数の報道によると、経済産業省原子力安全・保安院は18日、福島第一原発1〜3号機で原子炉内の核燃料の溶融が起きていたとの見解をまとめ、原子力安全委員会に報告しました。
同院は、これまで核燃料の「損傷」の可能性についての認識は示していましたが、公式に「溶融」について認めるのは初めてです。
http://www.rescuenow.net/2011/04/-13.html
うそつくなあっ!
これまでは燃料の「損傷」しか認めていなかったって?
デタラメな報道してんじゃないよ!
ところが5月に入っても、また同じような報道が現れる。 < 2011年5月24日 14:30 >
■2、3号機でもメルトダウン〜東京電力
「東京電力」は、福島第一原子力発電所の2号機と3号機でも核燃料が溶け落ちるメルトダウンが起きていたとする報告書を発表した。
東京電力が2号機と3号機でメルトダウンが起きていたと分析したのは初めて。
「はじめて」かあ?
じゃあ3月13日の報道はなんなんだ?
■2、3号機も炉心溶融の可能性〜細野補佐官 < 2011年5月17日 6:50 >
福島第一原子力発電所について、細野首相補佐官は16日、全ての燃料が溶け落ちた1号機だけでなく、2号機と3号機でも燃料が溶け落ちている可能性を示した。
http://www.news24.jp/articles/2011/05/17/07182840.html
あたかも細野補佐官が炉心溶融を5月になって初めて認めたかのような報道も、こりゃなんだい?
反原発で有名な科学者は「まともな専門家なら3月15日には炉心溶融しているのがわかっていたはずだ」などと語っているが、3月15日どころか、保安院は事故当日に炉心溶融を認めているじゃないか。
いったい、この国のジャーナリズムには記憶力というものがないのかい?
んで、そんないい加減なメディアに乗せられて、「原発推進派は事故から3か月もたってからようやく炉心溶融を認めた。遅いわっ!」と怒っている多くの善良な市民。
あ〜あ、こんな有様では、何につけてもコロリと騙されてしまうよなあ。
しっかりしようよお、みんな!
(以上)