気象庁はとっくに以前から放射性物質拡散予測を公開している

放射性物質の拡散予測を公開
http://mainichi.jp/select/today/news/20110504k0000m040108000c.html


遅れたのは要するに、文科省のSPEEDIについての情報。
気象庁からはとっくの昔に放射性物質の拡散予測がHPで公開されている。

だいたい、先日のこの記事によれば、

放射性物質予測 事故直後から機能せず
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011050202000170.html

ERSSが作動しなかったことにより、SPPEDIも十分作動できなかったとある。

文科省のSPEEDIの情報公開が仮に遅れたとしても、気象庁はずっと以前から放射性物質拡散予測を公開している。

http://www.jma.go.jp/jma/kokusai/kokusai_eer.html
http://www.jma.go.jp/jma/kokusai/EER/eer_sample.pdf
http://www.jma.go.jp/jma/kokusai/eer_list.html


SPEEDIについて、今回情報公開をしたことについても、

<<
今回の東京電力福島第一発電所の事故では、事故発生当初から、放出源情報を原子炉施設における測定や、測定に基づく予測計算によって求めることができない状況が続いています。このため、大気中の放射性物質の濃度や空間線量率の変化を定量的に予測するという本来の機能を活用することはできていません。
<<

http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/index.html

という条件のもとでのことだ。

もちろん、気象庁のみならず、文科省のSPEEDIの情報も速やかに公開すべきだったということは、一般論としてはわかる。

しかし、原子力安全委のHPで文科省のSPEEDIの情報公開が遅れたことによるデメリットは、具体的にはどのようなものがあったのだろう?

今回のERSSが作動しない状況下でのSPEEDIの不完全な機能での情報の公開が遅れたとしても、気象庁からの予測データがすでにずっと出されているのだから、具体的な原子力安全委・文科省の情報公開の遅れによるデメリットとはどのようなものだったのだろう?

その点がよくわからない。

騒ぎ立てている人々には、そのことを教えて欲しい。

むしろ、マスコミがこのように、実際のデメリットを明示せずに、気象庁ですでに情報公開がされていることを合わせて書かずにこうした記事を書くのは、「情報隠蔽」という印象やレッテルを貼って、政府への不信や反感を国民の間に煽り誘導しているのではないかという気がしてならない。

ちなみに、毎日新聞は同時に、こんな記事も書いている。

菅直人首相>震災後初めての外食、妻や母と
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110504k0000m010047000c.html

いかにも、ある種の人々に菅叩きを誘導するかのような、どうでもよい出来事の記事である。

菅首相は、原子力行政の抜本的見直しを掲げ、原子力依存を改めて太陽光・バイオマスなど新たなエネルギー重視への転換を主張している。
さらに、独立した第三者委員会による原発事故・行政の徹底的検証を行う英断を下した。

原発事故の検証、第三者委を5月中旬に設置 首相が表明】(4月29日)
http://www.asahi.com/politics/update/0428/TKY201104280553.html

菅首相:G8サミットで新エネルギー政策表明へ】(5月1日)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110502k0000m010105000c.html


マスコミに簡単に誘導されず、誰が原産複合体にメスを入れようとしているのか、その邪魔をしようとしているのか、今は眼光紙背に徹し、よくよく考えるべき時と思う。