「原産複合体」に菅政権がメスを入れられるか 問われる国民の質

■「菅降ろし」駆け引き本格化…1次補正成立で
(読売新聞 - 05月03日 16:01)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110503-OYT1T00339.htm


「菅降ろし」の動き、いったい全体、いいかげんにどうにかならないものだろうか。

【この国難のときに菅降ろしをやっている場合ではなく、みんなで力を合わせる時だから首相を応援しよう】

という、至極当然の発想が、どういうわけか政界やマスコミやネットで菅叩きに狂奔する人々には全くないようである。

この二十年、ほんのわずかな例外を除いて、日本はずっと短命政権が続いてきた。
そして、日本の経済や国力は悪化してきた。
政治や政策を継続して行うためには、安定した政権が必要だが、現政権を性急に後先のことを考えず葬り去ろうとする人々は、いったいそのことについてどれぐらいの責任感や思慮や慎慮を持っているのだろうか。

政界でも小沢派をはじめ、菅叩きや菅降ろしの策動がずいぶん活発に行われてきたようだが、マスコミやネット世論などでも、菅叩きや菅降ろしのための罵倒やネガキャンが満ち満ちている。

原発利権に関わりのある人々がそういう動きを行うのはさもありなんと思う。

しかし、私が不思議に思うのは、原子力依存への見直しや二度とこうした事故が起こらないようにすることを本当は望んでいる人々が、マスコミやある種のネット上の情報や動画に大きな影響を受けて、菅叩きに狂奔している傾向が多く見られることである。


菅首相は、原子力行政の抜本的見直しを掲げ、原子力依存を改めて太陽光・バイオマスなど新たなエネルギー重視への転換を主張している。
さらに、独立した第三者委員会による原発事故・行政の徹底的検証を行う英断を下した。

原発事故の検証、第三者委を5月中旬に設置 首相が表明】(4月29日)
http://www.asahi.com/politics/update/0428/TKY201104280553.html

菅首相:G8サミットで新エネルギー政策表明へ】(5月1日)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110502k0000m010105000c.html


心ある国民は、第三者委員会による従来の原発行政の徹底検証と新エネルギー政策を支持・推進すべきではないか。

菅首相が、従来の原子力行政を抜本的に見直しメスを入れるための第三者委員会の立ち上げを決断し明言したこと、太陽光・風力などを主軸とする新エネルギー政策を決断し明言したことは、英断として高く評価されるべきだ。

これらの政策を心ある国民は強力に支持し推進すべきだ。

こうした動きを進めようとしているのは誰か。
逆に、こうした動きを止め、邪魔しようとしているのは誰か。

その見極めをきちんとせず、単なる政府叩きに狂奔することは無責任ではなかろうか。

そういえば、最近、東京電力の役員の大半が自民党に多額の政治献金をしていたことが報じられていた。
事実上の企業献金と言える。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-16/2011041615_01_1.html


週刊金曜日の今号の中の吉田有里さんのコラムに、

「現政権に不満はたくさんあるが、民主党政権だったからこそ原発事故に関する情報について最初から発信されたということ。自民党政権だったら情報は隠蔽されただろう。それは忘れてはならない。」

ということが書かれていたが、東電と自民党の癒着を思うと、たしかにそうかもしれないと思えてくる。
もっとも、菅政権叩きに狂奔している人々は、こうした想像力は全くないようである。

アメリカの軍産複合体をもじって、原子力における日本の行政・東電・御用学者の癒着を指した言葉に「原産複合体」という言葉がある。

「原産複合体」の一翼を担ってきた自民党が、自己批判もろくにせずに菅政権を倒して政権に返り咲いたとして、本当に「原産複合体」にメスを入れることができると多くの人は考えているのだろうか。
あるいは、同様に原発利権に深いかかわりのある小沢派がそれができると本気で思うのだろうか。

「原産複合体」に菅政権がメスを入れようとしていることを支持し応援するのか、邪魔するのか。
今、国民の質が問われている。