http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2010/0606.html
井上ひさしの最後の作品は、「組曲虐殺」という小林多喜二についての作品だそうで、その劇の様子も番組で少し紹介されていた。
いつか見てみたいものだ。
その番組ではじめて知ったのだけれど、井上ひさしの父親は、農地改革などをめざして社会主義の啓蒙に取り組んでいた人物だそうで、小説が中央の雑誌に入選してこれからという時に、まだ若くして三十代前半でなくなったとのこと。
ぼーっとその箇所を見ながら聴いたので正確なことを聴き損ねてしまったのだけれど、どうもその父も特高の拷問が原因で健康を損ねて若死にしたらしい。
井上ひさしは、父親ののこした蔵書を父との対話と思い、少年の頃から読みふけって成長したそうである。
あの時代の小林多喜二や井上ひさしの父親などの人々は、本当に正義感が強く、自らの身の危険も顧みずに、なんと立派な人たちだろうと、なんというか、あらためてつくづく思った。
「組曲虐殺」、いつか劇でも見てみたいけれど、せめて戯曲を読んでみたい。
「むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをゆかいに
ゆかいなことをまじめに書くこと」
深いなぁと思うひとことだった。
(追記)
「組曲虐殺」の戯曲をその後、読んだ。
すばらしい作品だった。
多くの人に読んで欲しい。