クロ現 イラク戦争を問う

以前、クロ現で、イギリスでのイラク戦争検証の動きを特集していた。

http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=2901

いま、イギリスではイラク戦争に関して、独立調査委員会による調査や関係者への聞き取りが進められ、HPでブレアなどの証言を自由に見ることができるし、機密文書も一部読めるそうである。

六年間で一兆円の軍事費を費やし、イギリス兵も多数死傷し、しかも戦争の大義名分とされた大量破壊兵器が存在しなかったということで、イギリスの有識者も世論もかなり厳しい目を政治指導者たちに向けているらしい。

オックスフォードの学者が、特定の個人の責任を追及するというより、イギリスの政治システム全体の問題を明らかにするための作業だと述べていたのを聴いて、イギリスというのはやはりたいした国だと甚だ感心した。

イギリスは1808年のナポレオン戦争の時以来、戦争についてそのつど記録し検証する作業がなされてきたらしく、特に近年は政策判断の是非についても詳しく検証されるようになっているらしい。

ひるがえって、日本はどうだろう。
65年前の先の大戦についても、はたして十分に検証されているのだろうか。

また、つい最近のイラク戦争について、日本は直接的に軍事行動には参加しなかったものの、はやばやとブッシュの戦争を手放しに支持することを小泉さんは表明し、莫大な税金をつぎ込んで後方支援を行ってきた。
イギリスと異なり、直接的な戦争行為でなかった分、当事者も国民も目が甘くて、あんまり厳しい糾明もされていないようだが、その判断が妥当だったか、あれほどの税金の投入は国費の濫費ではなかったか、単にアメリカ追従だったのではないか、きちんと本当ならば検証されるべきだし、国民世論も検証をもっと求めるべきなのだろう。
そして、検証されれば、イギリスどころではないわが国の政治システムの問題はぞろぞろ出てきそうである。

イギリスは、良くも悪くも、やっぱりたいした国だと思う。
それに比べて、日本はどうだろう。