絵本 「むこう岸には」

むこう岸には

むこう岸には


作者がチリの出身なので、おそらくチリが舞台なのだろうか。

おそらくアフリカ系と思われる村の女の子が、川の向こうに行ってはいけないと言われている。

川の向こうには白人の村がある。

ある日、川の向こうに、男の子がいる。

手を振ってくるので、手を振りかえす。

ある日、向こう側からボートが送られてきて、ボートで川を渡る。

男の子の家に行き、その家族からあたたかく迎えられる。

その村の人々も、いたって普通の、自分たちと同じような生活をしている普通の人々だった。

いつか、大人になったらこの川に橋をかけたいと少女は思う。


みひらきのところに、作者の「この世界のことなる人々が、いつか出会い、わかりあうことを願いつつ。」という一文が入っている。

とてもシンプルな物語の、シンプルな絵本だけれど、それだけに、このごくあたりまえのことができれば、どれほど世界は平和になり豊かになるだろうということをあらためて考えさせられる。

良い一冊だった。