ふと思い出した話

今日、たまたま新聞に、満洲のある町で町長をやっていた方が、日ごろとても地元の方に親切にしていたので、敗戦後も一年半もの間命がけで地元の人々がかくまって、ソビエト軍に捕まらずに済み、シベリアに連れて行かれずに済んで無事に日本に帰れた、という話が載っていて、ふと思い出したことがある。


私が高校の頃、違うクラスだったのであまり面識はなかったし、もう卒業以来全然やりとりはないけれど、N君という人がいた。
素朴で良さそうな人柄の人だったが、たまたま、何かの折に話していたら、夏休み(だったか冬休みだったか)にフィリピンに行ってきたという。
なんでまたフィリピンに?と尋ねると、N君のおじいさんが戦争の時以来、フィリピンのある村の人と親友になっていたそうで、その後もやりとりがあり、今回家族を連れてその村を訪れて、とても歓迎してもらい、楽しかった、という話だった。


今考えればもっと詳しく聴いておけば良かったと思うが、本当にめったにない、稀有な話だったように思う。


戦地でも稀にはそういう例もあったのだなぁ。
いろんな業や縁にもよるのだろうけれど、最終的には、いかなる状況でも、その人次第なのかもしれない。