- 作者: 手島圭三郎
- 出版社/メーカー: 絵本塾出版
- 発売日: 2011/04/27
- メディア: 単行本
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これは本当名作だった。
読み終わって、思わず涙。
きたきつねの寿命は五年。
仲良く幸せに暮らしてきたきたきつねの夫婦は、お互いに五歳を迎えた時に、めすの方のきたきつねは亡くなった。
残されたおすのきたきつねは、ひとりで春を迎える。
年をとり、なかなかエサをとることもできない。
今は母親となっている自分の娘のきたきつねに会いたいと思ってそのもとをたずねると、いまはたくさんの孫もできており、娘はよろこんで父を迎えてくれた。
きたきつねは、昔一緒だった兄弟たちはどうなったか、生きている間にもう一度会いたいと思い、探しにいくが、もうどこにも兄弟はいなかった。
ある日、弱ったきたきつねは、カラスの大群に襲われる。
その時、自分の娘の多くの子どもたち、つまり孫のきたきつねたちが駆けつけて、カラスを追い払ってくれて助かる。
それからしばらくして、ある雪の日、妻のきたきつねが迎えに来た姿が見えて、きたきつねは、自分は幸せな一生だったと思い、この世を去る。
という物語が、とても美しい北国の景色の絵とともに綴られていて、本当にすばらしい名作だった。