絵本 「ロスト・シング」

ロスト・シング

ロスト・シング


とても面白かった。

居場所のないもの。
無駄を認めない社会では、分類不能なものは、そうなってしまうのかもしれない。

そのような、居場所のないものに目をとめ、一緒に帰る場所を探そうとする主人公の少年と、不思議な居場所のないもの。
その物語は、なんだか読んでいるうちに、現代人が、というか現代社会を生きている私自身が、とかく忘れかけていることを教えられるような気がした。
というか、この居場所のないものというのは、自分の心の中のなんらかのある部分のような気もしてくる。

ショーン・タンの、初期の作品らしいけれど、他の最近の作品と同様、シュールな味わいと深いメッセージがあって、とても良い作品と思う。