絵本 「ドラゴン・マシーン」「ドラゴンたちは今夜もうたう」

ドラゴンマシーン

ドラゴンマシーン

ドラゴンマシーン


不思議なタッチの絵の、不思議な感覚と余韻のある絵本だった。

ドラゴンは、「見ようとしなければ見ることができない」というメッセージは、人生のいろんなことに相通じることかもしれない。

主人公の少年は誰も見ることができないドラゴンに注意を払い、たくさん見ることができるようになる。
やがてドラゴンたちが暴れだし、遠くに連れて行ってあげる。

少年がひとりで遠くに行ったことで、家族はとても心配し、少年はいかに親から愛されているかわかるようになる。

一匹、変な顔の犬を親が飼ってくれることになったのだが、少年だけはそれはドラゴンのうちの一匹であるとわかる。

このストーリーを読んでて、このドラゴンというのは、単に絵本の中の絵空事というより、人間の無意識の領域や生命力、情念みたいなものだろうかと考えさせられた。

実際、もう一冊、ドラゴンを描いた絵本があって、

ドラゴンたちは今夜もうたう

ドラゴンたちは今夜もうたう

ドラゴンたちは今夜もうたう


これも面白い絵本だった。

ピーター・シスの絵が良い。

こちらの方では、昔はみんなドラゴンを信じていた、というメッセージが描かれるのだけれど、このドラゴンというのは、無意識や、よくわからない生の神秘のことだろうかと、やっぱり考えさせられる。

絵本は本当奥が深いと思う。