おそらく、引きこもりがちな、あるいはテレビゲームやヴァーチャルリアリティに傾きがちな若者に対して、発せられたメッセージの絵本なのだと思う。
しかし、特にそうというわけでもない多くの人にとっても、とても胸を打つことばが多く記されている。
袋の中にこもらず、真実の記憶を持つことができるように、真実に闘って生きること。
自然の光の中に出る、あるいはゲームを消して本を読むこと。
かけがえのない貴重な時間をむだに費やさず、実際に生きること。
そんなことを、わかりやすく、パンチの効いた言葉で綴ってある。
現代人は大なり小なりヴァーチャル・リアリティに浸かりがちだし、大なり小なり若干ひきこもり的なところがあるとすれば、この本は広く多くの人にとって、自分を見つめ直す良いきっかけになると思う。