いのち―わたし、画学生さんのぶんまで生きる (「約束」シリーズ)
- 作者: 窪島誠一郎
- 出版社/メーカー: アリス館
- 発売日: 2011/06/01
- メディア: 大型本
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学校でいじめられて自殺未遂を図った女の子が、祖父の自画像を見に「無言館」に行き、祖父の分も生きなきゃと思って立ち直る。
実話がもとになっているそうである。
無言館は、もちろん、戦没画学生の絵を集めた美術館で、その子の祖父も二十代で戦死した。
多くの人が、絵を描きたい、もっと生きたいと思い、一刻一刻のいのちを刻み付けるように絵を描き、そして戦地に赴いていった。
いま、後世の私たちが、自由に、平和に、絵を見たり描いたり、本を読んだり、家族や友人と過ごすことは、本当はとてもかけがえのない大切なことだし、若くして亡くなっていかなくてはならなかった方たちの分まで、本当は今生きている私たちは生きなければならないということを、あらためて教えてくれる絵本だった。