民主党分裂 今後予測されること三つ

民主党分裂 小沢元代表ら50人離党届
http://mainichi.jp/select/news/20120702k0000e010169000c.html


民主党が分裂した。
小沢派五十人が離党した。


今後、おそらく起るであろうことは、以下の三つのことである。



一、政治的麻痺の深刻化


ただでさえ、衆参のねじれによって困難であってさまざまな意思決定が、与党が分裂したことにより、より一層、多党乱立の状況となり、極めて意思決定が難しくなり、場合によってはさまざまな意思決定が遅れ、決定そのものができない政治的麻痺が深刻化することだろう。
これは、次の選挙が行われれば、場合によってはかなり解消されるかもしれないが、単独で多くの議席を持つ政党が次の選挙でも現れない場合、選挙を経てもなおも深刻化する可能性がある。




二、次の選挙における維新の会および自民党の躍進と新自由主義的政策の復活


おそらく、分裂しなくても次の選挙で民主党は大きく議席を減らしたと思われるが、さらに一層、同じ地盤を小沢新党と民主党が食い合うことにより、議席数を減らすことになるだろう。
したがって、次の選挙では維新の会および自民党が躍進することになり、政治権力の移行が確実に行われるであろう。
その結果、新自由主義的政策が再び基調となり、新しい社会的危機への対応を目指した菅政権での政策や、分厚い中間層の復活を目指した野田政権の政策の多くは、中断されたり捨てられることも多くなることだろう。




三、次の選挙における小沢派の消滅


小沢さん本人や山岡さんなどの地盤の強い議員は別として、もともと比例出身の多い小沢派の新人議員の多くは、おそらくは次の選挙で落選するだろう。
民主党の議員と食い合って共倒れになる可能性も高いかもしれない。
おそらく、その選挙区は、自民党や維新の会が埋めていくことになるだろう。
新人議員の中には、純粋で良い人物もおり、地道に経験を積めばきっと良い議員になった人物もいたかと思うが、非常に残念なことである。
もし次の選挙で生き残ることができた場合、自由党がそうであったように、やがて小沢新党は分裂し、多くの議員は自民党に合流したり、他の政党に合流していくことになるだろう。




小沢派の議員の多くや、小沢新党を支持する人々の多くは、多くの場合、新自由主義を批判する立場の人が多いようである。
しかし、自らの民主党分裂の行動が、結果として、菅政権や野田政権はとても比ではない、新自由主義的政権を日本に誕生させることを、近いうちに目の当たりにすることだろう。


歴史の教訓に学ばず、新進党分裂や自由党の過ちの轍を、また繰り返す小沢派の政治家や、それを支持する人々の暗愚さははかりしれないが、彼らの行動の愚かさは歴史がきちんと鉄槌を下すだろうし、裁きの日は遠くはあるまい。


もっとも、それらの愚かさが十分にわかって、何度も警告を発してきた賢明な人々は、それに巻き込まれることは、非常にたまらないとは思うが、仕方がないので耐えるしかないのだろう。


せめても、これから賢明なる有権者がなすべきことは、もともと民主党の名簿で当選した比例の議員でありながら離党した小沢派の議員に辞職を迫ること。
そして、まず議員辞職はしないだろうから、次の選挙で彼らを必ず叩き落とすことを心がけることである。


今まで、政界の攪乱要因として、常に与党内部で足を引っ張ってきた小沢派が次の選挙で消滅すれば、民主党は一時的には大きな打撃を被っても、党内路線を純化させ確定し、中道左派の政党としてより統一されて強固な政党として再出発できるのかもしれない。


もともと、民由合併に無理があったのだろう。
小沢派が消えた今は、むしろその災いを転じて福となすつもりで、民主党はより政党としてまとまった哲学や理念を培い築き、無責任な破壊主義とは決別した、思慮分別ある責任政党としてさらなる発展を目指して欲しい。