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さらさらと読めた。
二十年ほど昔の本の再版らしい。
第一次大戦に関して、政治や外交のおおまかなことがまとめてある。
すでに一次大戦についてよく知っている人にはもの足りないかもしれないが、あまりよく知らない人にとっては面白いかもしれない。
ウィルソンの国際連盟に対する取り組みの件はなかなか面白く、ウィルソンにとっても人類にとっても、本当に悲劇的な経過だったと思う。
また、ローザ・ルクセンブルクも、なんとも気の毒な人だとあらためて思った。
クレマンソーやレーニンの最後にもまた、人間の限界や哀れさを感じた。
そういった点では、たしかに面白かったのだが、
ただ、サブタイトルの「忘れられた戦争」というキャッチフレーズはとても魅力的なのだけれど、本文中、なぜ一次大戦が忘れられたのか、どのような記憶の継承が行われたのか、あるいは行われていないのか、さらには一次大戦が忘れられたことでどのようなデメリットがあったのか、あるいは今現在デメリットがあるのか、そうしたことはほとんど全く触れられていない。
一次大戦の記憶の継承にもスポットをあててくれたらよかったのにと思う。
ただ、もちろん、全体としてのおおまかな流れを、他ならぬ私たち自身がこのように継承していくことこそ、まずは大前提なのかもしれない。