
- 作者: 石橋湛山,松尾尊兌
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1984/08/16
- メディア: 文庫
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- 作者: 石橋湛山,松尾尊兌
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2004/10/15
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やっぱり、石橋湛山はすごい。
戦前から戦後にかけて、あれほど鋭く、的確に、時事に向って言葉を紡ぎ続けた人は、そんなに多くはないだろう。
今読んでも、戦前に湛山が指摘した問題(たとえば官僚制の問題や、市町村主体の地方自治の不足など)という問題が、いまもってちっともクリアされてないどころか、きわめて今日的な課題であることに驚かされる。
また、日本の膨張政策や侵略に、一貫して警鐘を発し続け、的確な批判と代替案を出し続けていたところも、本当に勇気のある、すごいことだったと思う。
問題は、湛山のこれほどの智慧と先見の明が、ちっとも当時の日本には生かされなかったことがだろう。
それは戦前もそうだったろうし、戦後もそうだったのかもしれない。
石橋湛山という人は、これからこそ、もうちょっと見直されて、検討されるべき人なのかもしれない。
この精神の継承に、日本の将来も幾分かかかっているような気がする。