
- 作者: 不破哲三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/08/20
- メディア: 単行本
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だいぶ前に読んだのだけれど、かなり面白かった。
なんというか、不破さんって、ともかく頭がいい人だと思う。
こんなに頭脳明晰な人は、おそらく戦後の政治家の中では、きわめて稀だったのではないかと思う。
いろんな興味深い話が載っていたけれども、特に興味深かったのは、北方領土問題についてだった。
不破さんが、北方領土について、四島のみならず、千島列島全体の返還を主張してることは、とても共感した。
カイロ宣言の領土不拡大方針や、千島樺太交換条約を考えれば、たしかにそのとおりと思う。
あと、七十年代の国会の活況の話なども面白かった。
国防・内政ともに、さまざまな事例やデータの数々に、あらためて考えさせられることが多かった。
もちろん、不破さんの視点や証言は、他のいろんな視点によって相対化されるべきものであり、必ずしもこれのみが正しいということはなかろう。
先の大戦についての評価と、全共闘についての評価については、ちょっと不破さんの意見は杓子定規に過ぎるような気もしないでもなかった。
とはいえ、この本は、やっぱりとても面白く、立場や意見の違う人も、なるべく読んだ方が良い本ではないかと思った。
とても啓発され、考えさせられる一冊だと思う。
有象無象のものが多い、あまり面白くないものが多い政治家の本の中では、ハイレベルな面白いものだったと思う。