- 作者: アンリカルティエ=ブレッソン,ピーターガラシ,ジャン=ノエルジャヌネー,ロベールデルピール,ジャンクレール,ジャンレイマリー,Henri Cartier‐Bresson,堀内花子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2004/07/28
- メディア: 大型本
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この本を読むと、「世界」を読んだ気になる。
それほどの一冊。
貴重な時代の証言であり、人間の記録だろう。
どこでも人はしっかり生きているし、あらゆる瞬間は永遠に接している。
そう思わされる一冊。
それよりも、この本は、私にとっては格別の思いのある一冊。
たまたま、このカルティエ・ブレッソンの写真集を見ていたら、なんと私の祖父が載っているではないか!
319頁の、
「476 阿蘇山,日本,1965年」という写真がそれで、左側の帽子をかぶった人物が私の祖父に間違いない。
顔は祖父に間違いないし、骨格や笑い方も祖父のものに間違いないが、なにせ私の生まれる前のことなので、父に尋ねてみると、この帽子は交通局の当時の制帽で、祖父は当時交通局に勤めていてかぶっていたのを父はたしかに記憶しているとのこと。
また、服の内側に着ているベストは、祖母の手編みのもので、当時着ていたのをたしかに記憶しているとのこと。
ちなみに、祖父は当時熊本市内に住み、熊本市の交通局に勤めており、あとからは監督の方に回ったが、四年間ほどバスの運転をしていた時期もあったそうで、ヘレン・ケラーが熊本に来た時は阿蘇までヘレン・ケラーを乗せてバスを運転したこともあったそうだ。
そういえば、随分昔、私が小さい頃、祖父が昔は阿蘇の火口付近まで行くことができたが、煙がもうもうとしていて危なかった、みたいな話をしてくれた記憶がある。
間違いない。
なんと、世界的なカメラマンがたまたま撮影した写真に、私の祖父が載っていたとは。
何千万分の一の可能性だろう。
本当にうれしい奇跡だった。