- 作者: 秋山清
- 出版社/メーカー: ぱる出版
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 単行本
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秋山清の自叙伝「目の記憶」が収録されている。
自叙伝、といっても、19歳の時までの回想で終わっている。
けっこう長生きしている人物なので、かなり人生の早い時期までで筆が止まっているのだけれど、とても詳細に少年時代を描いていて、かなり面白かった。
北九州市の門司区の今津というところの、大正時代の漁村の様子がとても詳細に描かれていて、その自然の様子や村の模様など、なかなか面白かった。
また、エレベーターボーイとして東京で働くようになっていた19歳の時に関東大震災に遭遇した時の体験のことも詳細に描かれていて、とても面白かった。
あの時代のひとつの精神史、および人生や当時の世相や生活の記録して、貴重なものではないかと思った。
面白い一冊だった。
触発されて、私もふと、自叙伝を書くほどの年ではないけれど、なんとなく自分の体験や考えたことの整理として何か書いてみたいような気持ちにさせられた。
私なりの「目の記憶」を、いつか書いてみよう。