- 作者: 立花隆
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2006/04/13
- メディア: 単行本
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リアルタイムに数年前の出来事について書かれた時論ですが、今読んでも面白い内容です。
小泉改革、イラク戦争、憲法改正、などについて、立花隆の考えが書かれてあり、参考になる部分もあります。
当時におけるその後の読みや予想が、細かな事実ではずれた部分もあるようですが、基本的な考えの部分では、わりと的を射た考えを述べていると私には感じられます。
特に、改憲・護憲の是非を、自衛隊の合法化が争点ではなくて、アメリカの世界戦略に進んで参加して血を流すかどうかが争点だとしていることは、そのとおりだと思いました。
著者は、ベトナム戦争で韓国軍が多くの死傷者を出し、ベトナム人も殺傷している事例をあげて、日本がベトナム戦争の時にそうせずに済んだのは憲法九条のおかげであるとしています。
そして、もし改憲すれば、アメリカの戦争に参加して無駄な血を流すことになり大きく国益を損なうことつながるのではないかと警鐘を鳴らしています。
また、郵政民営化についても、国民の貴重な共有資産の解体だったと、手厳しく批判しています。
昨今の威勢の良い議論の前に、一度読んでおいて叩き台にしたら良いのではないかと思う一冊です。