映画 「荒木栄の歌がきこえる」

2008年11月、映画「荒木栄の歌がきこえる」を見た。

http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD14325/


(以下はその時の感想)

荒木栄は、福岡県出身の作曲家・作詞家で、三井三池闘争の時に、労働者に愛唱された歌を数多くつくったらしい。
自身も三池炭鉱で働く労働者だったそうだ。
三十八歳の若さで亡くなったらしい。

恥ずかしながら、この映画を見るまで、荒木栄についてはまったく知らなかった。
また、福岡に住みながらお恥ずかしいことに、三井三池闘争や炭鉱の歴史についても、ほとんど何も知らない。

というわけで、今日は、ちょっとは勉強しようと思って見に行ったのだけれど、なかなか面白いドキュメント映画だった。

荒木栄の歌は、単純に、音楽として、いいと思った。
単なるスローガンやプロパガンダの域をはるかに超えた、音楽として、それそのものにとても良さがあると思う。

おそらく、その二人が似ていると言うと、それぞれのファンからものすごく反発を食いそうな気がするが、そののびやかな、日本語の美しさを遺憾なく発揮しているところは、なんだか信時潔の歌に似ている気がした。
もちろん、明るい元気のいい荒木栄の歌と、なんだかしみじみ悲しい信時潔の歌は、ぜんぜん違うところもあるのだけれど、日本語ってこんなにのびやかな響きの言語だったのか、と驚かされるような良さがある、という点では、とても似ている気がした(あくまで音楽の素人の感想なのだけれど)。

ドキュメント映画の中で、昔のフィルムや、今の歌っている人たちの様子が映り、荒木栄の歌が流れると、映画を見ている観客の中で、一緒に荒木栄の歌を歌いだすおじいさんやおばあさんが、私の隣や前や後ろにいた。
きっと、リアルタイムに、労働組合などで歌って覚えておられる方たちなのだろう。

ドキュメント映画の中に登場する、多くのお年寄りや、あるいはこの映画を見に会場にやってきているおじいさんおばあさんたちは、みんな逞しくやさしそうな、良い表情をした人が多いなと思った。

映画では、若いアーティストで、荒木栄の歌をうたっている人たちが何人か映ってた。
いろんな縁で、今でも歌い継がれているのだろう。

とはいえ、私は今日まで、ぜんぜん荒木栄の歌は聞いたことがなかった。
知りもしなかった。
もっと、歌われたり、語り継がれて欲しいような気がする。
ちょっとアレンジしたりすれば、今でも十分人の心に響く、すばらしい音楽とメッセージがあるのではなかろうか。

私もそのうち、練習して、歌えるようになれたらいいなぁ。

にしても、三井三池闘争って、東の安保、西の三池と言われて、60年代を代表する抵抗運動だったらしい。。
そのうち機会があったら、いろんな炭鉱跡を見てみたり、本や資料を読んでみたい気もする。

なんというか、よく知らないけれど、大変な歴史と、熱い時代があったのだろうなあと思った。