「もう一度日本を改めて創るんだ、
そういう覚悟でこの危機に一緒に立ち向かっていこう」
「未来の日本の本当に、あの時の苦難を乗り越えて、こうした日本が生まれたんだと言えるような、そういう取組みをそれぞれの立場で頑張ろう」
菅さんの311直後の言葉。
あれから四年。
まだ道半ば。
311の時に、私たちが問われたことのひとつは、自分の頭でどれだけ考えることができるか、ということなのだったと思う。
311の後、ある種の人々が垂れ流すデマと中傷にはうんざりした。
菅首相が海水注入停止を指示したとか現場視察が原因でメルトダウンが起きたとか。
日本は海洋テロ国家だと世界中の報道が述べているだとか〇〇さんのおかげで仙台空港が復旧したとか。
そんなデマに簡単に騙される人々にもうんざりした。
一方、きちんと自分自身の頭で考え、情報を取捨選択し、思慮分別をもって情報を吟味し、正しい情報の発信や誤謬やデマの訂正に努力をしている人々も多々いた。
そういった人々こそ、本当に地の塩・世の光だったと思う。
311のあと、人間の善意も悪意も、本当にまざまざと見た。
無償の善意に生きる人々もいれば、愚にもつかない妄想と悪意と中傷ばかりの人々もいた。
後者を見て世の中にうんざりすることもあったけれど、前者の方がはるかに多かったことを思えば、この世界はやっぱり愛するに足りると思う。
それに今思えば、愚にもつかない妄想ばかりだった人は、悪意というよりは自分自身は善意や正義のつもりで、ただしあまりにも情報の取捨選択や吟味に関して杜撰だったために、ああなってしまっている人々も多かったのだと思う。
思えば、国策民営の核の四面体構造が垂れ流す安全神話を疑わずに、野放しにしてきた結果が、この悲惨な出来事だったことを思えば、311後の私たちに必要なことは、何よりも自分自身の頭で良心と理性に則って、根拠に基づき思考し、礼節や論拠に則って情報を発信していくことなのだと思う。
それと、この日には、やはり、あの時の世界中との絆を思い出す。
311のあと、世界中の国々の人々が日本のためにあたたかな手をさしのべ、思いやってくれたことを、忘れてはならないと思う。
アメリカ、中国、韓国、イスラエル、パレスチナ、どの国々も、日本のために尽してくれた。
なので、それらの国々をdisってる人を見ると、どうも違和感を覚えてならない。
あれから四年、日本の政府や国民は、どれだけあの時の世界中から寄せられた善意や恩に報いることができているのか。
この日が来るたびに、考えさせられることは本当に多いと思う。