雑詩 春の日に

雑詩 春の日に



愁い沈む心を払う術もなく、

ひさびさに山の頂までのぼって歩いてみた。

野鳥が鳴き、梅は咲き、雲は青空に流れる。

人とは何なのだろう。
短い生涯の間、あくせくと、心を煩わせて生きる。

絶望も希望も虚妄だと魯迅は言ったが、

たしかにすべて心の中にあるだけのことなのかもしれない。

わが心は晴れずとも、

空はこんなにもうららかに照っていた。