- 作者: 小島剛夕
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1996/09
- メディア: 単行本
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太田牛一の『信長公記』を漫画化したもの。
なかなか面白かった。
信長は、やはり、英雄だったんだろうと思う。
あの時代は、信長でなくては、突破できなかったのかもしれない。
その突破力に関しては、稀な人物だったのだろう。
だが、長くは続かない人物だったのかもしれない。
信長もまた、歴史の要請である時期現れて、選ばれて、そして歴史の歯車に飲みこまれていった人物なのかもしれない。
もっとも、そうした宿命観を吹き飛ばすような、生き生きとした信長の不敵な生き様こそ、この作品の魅力なのだろう。
信長の若い頃から側近くに仕え、常によくその行動を見聞した太田牛一にとっては、秀吉や家康の時代にまで生きてからも、なお忘れることのできない精彩があったということなのだろう。
うちに、だいぶ前に買ったこの原作である原文の『信長公記』があるので、そのうちまたしっかり読みたいと思う。